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〈書評〉『テクノ封建制』『コミンテルン』『この世界を科学で眺めたら』/一般ユーザーはデータ小作人、GAFA支配をどう生き延びるか

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配するとんでもなく醜くて、不公平な経済の話。』

・『コミンテルン 国際共産主義運動とは何だったのか』

・『この世界を科学で眺めたら 真理に近づくための必須エッセイ25』

『テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配するとんでもなく醜くて、不公平な経済の話。』ヤニス・バルファキス 著/斎藤幸平 解説/関 美和 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・人文ライター 斎藤哲也

資本主義の危機やポスト資本主義的な構想を論じる本は多い。だが、本書は「資本主義はすでに死んでいる」と、さらにショッキングな診断から始まる。

では、現在はどういう経済体制なのか。元ギリシャ財務相の経済学者である著者は、金融危機とテック産業の台頭という2つの歴史的事件に焦点を合わせ、そこから生じた構造変化を「テクノ封建制」と名づける。

一般ユーザーはデータ小作人 GAFA支配をどう生き延びるか

かつて土地を独占した封建領主が農民たちから地代を徴収していたように、GAFAのような現代の「クラウド領主」たちは、インフラとして機能するプラットフォームを独占し、その上で活動するすべての個人や企業から「デジタル地代」とも言うべき利益を吸い上げている。

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