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「物価の権威」渡辺努氏は「価格メカニズムを損なうデフレの罪」を問うが、はるかに罪深いのは「円安のひずみ」だ。最終講義への徹底反論②
第1のポイントであるが、価格メカニズムを機能させることがもっとも重要というのは100%賛成である。
インフレ率0%よりも2%のほうが望ましい理由として一般的に挙げられる、中央銀行の政策の自由度(実質金利をマイナスにできる)や債権者から債務者への所得移転、名目価格の上昇がある種の駆け込み需要をもたらし景気刺激的であるなどの理由よりもはるかに本質的であり、そのほかのインフレ2%論者の誰よりも渡辺努理論が説得力を持つ。その点で私はだれよりも渡辺努に近い意見を持っている。
しかし、そのうえで、渡辺先生の主張は日本経済の現実には当てはまらないと考える。
なぜなら、企業の価格が動かなくなったのは、デフレになったからではなく、バブルだったからだ。原因はデフレマインドではなく、バブルの反動なのだ。
デフレは「バブル崩壊」の結果
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