提案型営業で攻める化粧品卸のミルボン、逆風業界でも業績好調の秘密《オール投資連載/注目の会社》

提案型営業で攻める化粧品卸のミルボン、逆風業界でも業績好調の秘密《オール投資連載/注目の会社》

美容院向けに染毛剤やパーマ剤など、ヘアケア化粧品の卸販売を手掛けるミルボンが、順調に成長を遂げている。

「美容院向けなのに収益堅調」と聞くと、違和感を覚える向きも少なくないだろう。実際、美容院を取り巻く環境は厳しい。全国の美容院は約22万店とやや増加傾向だが、不景気で利用客の来店頻度は低下し、客の奪い合いは激しくなるばかり。頭髪用化粧品の出荷額も、2008年から4年連続で減少(経済産業省化学工業統計)している。

しかし、同社の前11年12月期経常利益は、前期比約7%増の35億円と2期連続増益を達成した。成熟市場でも成長を続ける強みは、一体どこにあるのだろうか。

美容院の成長余地を最大限に引き出す

好業績を支えるのは、美容院との二人三脚の取り組みだ。中でも、成長性が高いと判断し、重点的に営業をかける客先の美容院を「ミルボンサロン」(全国約8000店)と位置づけている。同サロンは単なる商品の販売先だけでなく、家庭向けヘアケア製品の販売窓口としてもフルに機能している。そして、ミルボンがこうした美容院と「ウィンウィン」の関係を築くうえでウリにしているのが、1980年代から始めた「教育支援サービス」だ。

その主役は“フィールドパーソン”と呼ばれる営業部隊。フィールドパーソンは基本的な美容技術を習得しており、美容院へ出向いて製品を売り込むとともに、製品の効果をより高める技術も併せて提案する。さらに、「この店は白髪染めをする来店客が多い」などと、美容院ごとにデータを分析し、メニューを一緒に考えていく。

それだけではない。コミュニケーション能力向上にも力を入れている。たとえば、「自宅で定期的に髪を手入れすることの大切さをどう伝えればよいか」など、来店客との細かなコミュニケーションまで、美容師と突き詰めていくのだ。

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