創薬ベンチャー・アンジェスは巨額赤字でどうなる? 山田英社長に聞く苦境と“逆転シナリオ”

大型買収後に起きたのれんの全額減損
――前期末に買収子会社エメンドに関連して約200億円ののれんの全額減損を今回突然出しました。
今回減損を出すまでにはいろいろ経緯がある。2023年にはエメンドの研究の本拠があるイスラエルだけで今後の研究開発を行うのは難しいと考え、付き合いの長い(アメリカの)スタンフォード大学の複数の教授に相談した。
教授の一人からは「日本もイスラエルもゲノム編集(を使った遺伝子治療薬)の研究開発をする体制、エコシステムができていない。アメリカに出てくるべきだ」と言われた。特許、ノウハウ、知財などのアメリカへの移行を実行しようとした矢先の2023年10月にイスラエルとハマスの間でガザ紛争が起きてしまった。
これではもう難しいということで、2023年末には退職を募って25人を残して大半のイスラエル社員に退職してもらった。2024年は1年間、(今後注力する)研究開発のテーマを設定し、アメリカでの活動開始の準備に努めた。
今年に入ってからは、実際に研究開発の重心をアメリカに移している。これと併行してエメンドののれんを半分でなく一気に100%減損処理しようと舵を切った。いきなりやった訳ではなく、2年にも及ぶ経緯がある。
この記事は有料会員限定です。
(残り 3526文字 です)
【4/30(水)まで】 年額プラン2,000円OFFクーポン 配布中!
詳細はこちらから
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら