だが、「PBR改革に反応していない企業群は支配株主がいる企業」といったデータが会議に出てくる。そうすると支配株主問題は重要だとみんなが再認識してくれた。
東証が行おうとしている今回の企業行動規範の改正をプライベートエクイティファンドはバッドニュースと受け止めるだろう。だが、エンゲージメントファンドやアクティビスト、少数株主にとってはグレートニュース。少数株主の利益が守られていない上場資本市場はやはりおかしい。
――この2023年12月の会議の時点で、東証の企業行動規範の「遵守すべき事項」で強制力を持たせるようにと意見しています。
経済産業省が2019年6月に策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(公正M&A指針)は、アメリカの資本市場関係者が読んでも「ちゃんとしている」と評価してくれるような内容だ。
しかし、その内容に沿わない行動を取る会社やファンドが多かった。あくまでガイドラインであり法律ではない。したがって強制力がない。このよくできた指針の肝の部分を法律以外の方法で強制力を持たせることができないのか。たどり着いた答えが東証の企業行動規範の「遵守すべき事項」だった。
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