
(写真:Emily Elconin/Bloomberg)
スイス・バーゼルはまだ冬の冷たさだが、各国の中央銀行が加盟する国際決済銀行(BIS)の本部ビル「BISタワー」内の空気もそれに劣らぬ寒々しさだ。北大西洋条約機構(NATO)を切り裂いた米欧の緊張が金融界に広がり始めているのである。
歴史に詳しい人なら、BISの構想が1920年代に浮上したとき米国が関与を拒んだ史実をご存じだろう。44年のブレトンウッズ会議で国際通貨基金(IMF)と世界銀行の創設が決まると、米国はBIS廃止を公式に提案した。
BISは金融界の国際規制の大部分を定めている各種規制機関の本拠であり、そこには由緒あるバーゼル銀行監督委員会と金融安定理事会(FSB)も含まれる。
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