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トランプ関税の痛みに身構える「メイドインUSA」 "アメリカ製"にこだわる企業にかつてない難題

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貿易戦争を生き延びることはできるのか。

アメリカの製造業の現場(写真:Morgan Hornsby/The New York Times)

CRGオートメーションの経営陣は世界経済の混乱を大っぴらに歓迎しているわけではないが、その混乱から利益を得る絶好の立場にあることは認めている。

大統領ドナルド・トランプが振りかざす関税の脅しや船舶輸送を妨げる紛争・危機の発生などで国際貿易が不安定になればなるほど、アメリカ企業は工場生産を本国に移転する圧力にさらされることになる。

アメリカで製品を製造することは、高い賃金や熟練労働者の不足に直面することを意味する。そこでCRGオートメーションの出番、となるわけだ。

ケンタッキー州ルイビルにある同社の工場では、人間による反復作業をロボットに代行させるシステムをエンジニアが設計・構築している。アメリカの工場生産拡大という使命に欠かせない製品を提供しているというのが同社のうたい文句で、今年は売上高が倍増すると見込んでいる。

「当社は、世界的な混乱が恩恵となる独特な業界に身を置いている」。CRGオートメーションの最高経営責任者(CEO)、ジェームズ・デスメットは「アメリカが目を覚まし、『国内で製造しなければならない』となったときに、当社は利益を得る」と話す。

工場回帰の恩恵を受ける企業にも打撃

ところが、そのCRGオートメーションさえもが、トランプが開始を誓う貿易戦争の圧力にさらされている。

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