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トランプ大統領令で見つめ直したい多様性の意義 反DEIの流れに"待った"をかける3つの反論

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トランプ氏の復権を機に、世界が「反・多様性」に傾こうとしている。しかし、今こそ冷静になる必要がある。

トランプ大統領は1月20日の就任初日から複数の大統領令に署名した (写真:ロイター/アフロ)

「性別は男性と女性のみ」としたトランプ氏の大統領令。時代に逆行し不協和音を生みかねない内容に違いないが、パリ協定脱退や「化石燃料を掘りまくれ」とする意思表示を重ねて見ると、ESG(環境・社会・企業統治)の発想をすべてひっくるめてゴミ箱に投げ捨てた感もある。一方で、一連の大統領令はトランプ氏の岩盤支持層に対する単なるポーズにすぎず、中身を見ていく必要があるとする慎重な意見もある。

とはいえ、こうしたトランプ氏や一部の共和党議員の考え方に一定の理解が示されていたことは確かだ。実際、同氏の大統領への返り咲きを受けて、積極的か消極的かは別にして、多くの企業が何らかのアクションを起こしている。

DEIは世界的な動きに

例えば、ウォルマートは2024年11月にDEI(多様性・公平性・包括性)の取り組みを縮小すると発表。トヨタ自動車や日産自動車、フォードはDEIを評価する企業平等指数への参加を取りやめるとした。

今年に入ってからは、アメリカのマクドナルドが多様性確保の目標を廃止すると発表したほか、メタ・プラットフォームズも多様性確保を念頭に置いた採用や取引先の決定方針を廃止した。

DEI施策は近年、企業が積極的に開示してきた重要施策であった。源流は1960年のキング牧師にたどることができるが、最近ではBLM(ブラック・ライブズ・マター)と呼ばれる2020年の人種差別抗議運動が多様性に焦点を当てた動きであった。すべての職場において人権問題がクローズアップされたこともあり、DEIは世界的な動きとなった。

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