アメリカ企業のTOBにより、1月7日に上場廃止したJTOWER。非公開化を決めた背景には、この数年の市場環境の変化などがあったという。
市場が求めるものとギャップが生じた
――株式上場からわずか5年での非公開化となりました。この間をどう振り返りますか。
ベンチャーで会社を始めて、もうすぐ13年になる。上場を目指してやってきたが、上場後にマーケット環境がすごく変わった印象だ。最近の市場が求めるものと、われわれがやりたいことのギャップが生じるようになった。
成長投資をして、上場したてのころは株価も順調に上がったが、ここ数年、グロースの会社が(成長性だけでなく)利益を重視される環境になってきた。とくに海外の機関投資家はプライムの大企業を見て、成長企業に資金がなかなか回ってこない。
われわれの事業はインフラなので、多額の資金調達を必要とする。上場時には大きな目的として「資金調達の多様化」を掲げていたが、短期的にはむしろ非公開したほうが資金調達をしやすい。市場環境、会社の今後の展開を考えた時に非公開化も1つの手段だと思うようになった。
――市場の変化はいつ頃から感じたのでしょうか。2023年3月には、東京証券取引所がPBR1倍割れの企業などに対し、改善要請を行いました。
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