Windows 10サポート終了で迫るリスク "AI対応PC"への転換点となるか

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企業向けにはExtended Security Updatesという延長サポートが存在するが、期間に限りがあるうえにコストもかかる。個人ユーザーにはその選択肢すらないため、サポート終了後は完全に自己責任となり、いつどんな脆弱性を突かれてもおかしくない状態に陥ってしまう。

残り9カ月とはいえ、企業でも個人でも一斉に乗り換えが始まると在庫不足や価格高騰が起きる可能性があるため、ゆっくり検討している暇はないかもしれない。

移行が進まない現状

Web解析サービスのStatCounterが示す2024年12月の市場シェアでは、いまだにWindows 10が約62.7%、Windows 11が約34.1%という状況が明らかになっている。サポート期限が迫る中でもWindows 10が依然として過半数を占めるのは、一部のユーザーが移行に踏み切れていない現実を浮き彫りにしている。

StatCounter
StatCounterによるOS利用状況(2023年12月~2024年12月)。世界中のウェブサイトのアクセスデータをもとに集計。Windows 10が62.7%で依然として過半数を占める(Statscounterによる公表データ

ゲームプラットフォームのSteamが毎月実施しているハードウェア調査でも、2024年12月の時点でWindows 11が54.96%、Windows 10が42.39%という結果が出た。

最新OSを積極的に導入しそうなゲーマーの層でさえ、4割以上がWindows 10を使い続けているという事実には、まだ動かなくても大きな問題はないという心理が透けて見える。

こうした状態で、1月に世界最大規模の展示会「CES 2025」を迎えたMicrosoftは「今年こそWindows 11への更新が必須の年だ」と強くアピールした。

なぜそこまで言われても移行が思うように進まないのか。

理由はいくつも考えられるが、まずWindows 11のインストール要件として不可欠な「TPM 2.0」が挙げられる。これは暗号鍵やパスワードを安全に保管するためのセキュリティチップで、パソコンへの不正アクセスを防ぐ役割を担うハードウェアだ。Windows 10でもTPM 1.2などを利用できるが、Windows 11は2.0以上が必須となっている。

数年前に購入したPCではそもそも搭載していないケースがあり、PC本体の買い替えを伴う出費や手間が移行を後回しにさせている。今のPCで特に不満がない限り、買い替え動機になりづらいという面も大きい。

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