2025年、「円高」は続かず「円安」が再びやってくる アメリカ「利下げの終わり」と日銀「利上げの終わり」

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筆者は基本的に円安が進む2025年においても円高を拾うチャンスがあるとすれば、FRBの利下げが続き、日銀の利上げも辛うじて続きそうな、1~3月期もしくは4〜6月期の前半くらいまでが好機だと考える。

反面、上述したように、4~6月期が終わる頃にはFRBの「利下げの終わり」が注目されやすくなる中、円安再起動に構えたいところだ。ドル買いの押し目は徐々に、しかし確実に少なくなるというのが金利面から見た2025年のドル円相場ではないかと考えている。

「米金利急低下で円高」をもたらすのは金融危機ぐらい

以上のようなメインシナリオに反し、2025年中に米金利が急落したり、円金利が急騰したりする展開はないのか。以下ではリスクシナリオも提示しておきたい。

まず、急激な米利下げとこれに伴う円高が発生する条件はないのか。あるとすれば、システミックリスクの高まる状況である。

直近では2023年3月にシリコンバレー銀行(SVB)の破綻が取りざたされ、金融市場の風景が一変したことがあった。金融システムへの危機感が煽られたときこそ、その影響が伝播することを防ぐために幅を持った利下げへの期待が強まる。

SVB破綻時を例に取ると、同月の米10年金利は最大で約0.6%ポイント押し下げられ、これに伴ってドル円相場も約137円から約130円まで急落している。

現状、アメリカの経済・金融情勢に不均衡が指摘されているわけではないが、こうしたケースでは円相場の急騰を期待できるだろう。もっとも、裏を返せば金融危機を念頭に置かねば著しい円高を予想するのは難しいということでもある。

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