2025年、「円高」は続かず「円安」が再びやってくる アメリカ「利下げの終わり」と日銀「利上げの終わり」

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なお、9月から始まった利下げ局面に関し、12月になって「新たな段階に入った」と評する構図はいかにも朝令暮改である。そもそもFRBが想定する中立金利が低過ぎたのではないかと感じさせられる。

今回、ドットチャートで示された中立金利と見なせる長期見通し(Longer run)は3.00%で前回(9月、2.875%)から引き上げられている。しかし、これでも客観的に見て低過ぎる可能性がある。

例えばアトランタ連銀のGDP Nowは2%強と目される潜在成長率に対して3%超えの成長が常時示唆されている。

こうした状況下、個人消費支出(PCE)デフレーターが常時2%台を維持していることにも鑑みれば、利下げの必要性は基本的には正当化しかねる。

アメリカの中立金利は「3%」より本当は高い

2024年春に示された米議会予算局(CBO)の推計によれば潜在成長率(実質)は2.2%だった。現実のインフレ率が2%近傍で上下動するならば、中立金利が3%台後半から4%台前半という理解になろうか。

とすれば、利下げがあと1~2回(0.25~0.50%ポイント)で終息しても不思議ではない。12月のドットチャートで示された数字と大きく乖離しないイメージだ。

さらにいえばCBOの推計する2.2%という潜在成長率も過小評価かもしれない。

図を見る限り、パンデミックを契機とした労働市場の変容などを背景としてアメリカの労働生産性(≒時間当たり実質GDP)は明らかに主要国の中で頭抜けて上昇している。

その分、潜在成長率ひいては中立金利も押し上げられている可能性が高い。

少なくともドットチャートで示されるlonger runを中立金利と見なす議論に関しては、相当の幅を持って評価すべきであり、その「幅」もどちらかといえば、上方向に想定したほうがよさそうに思える。

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