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プーチンの思想の理解にベルジャーエフが役立つ 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿85

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今回は冒頭でこの連載の舞台裏について述べておきたい。書き手にとって、長期連載は特別の意味を持つ。読者(最初に原稿を読む編集者を含む)の反応を見ながら書き進めることになるからだ。

2022年に外務省が外交文書を公開し、1991年8月のソ連共産党守旧派によるクーデター事件関連文書の秘密指定を解除した。その中には、モスクワの日本大使館に勤務していた筆者が起案した公電が多々含まれていた。外交文書には、作成されてから30年を経た後に公開されるという原則がある。もっとも、現在進行中の外交交渉に重大な影響を与えるおそれがある文書は公開されない。当初は筆者が起案した公電の解説を行うつもりだった。

連載の回を重ねるうちに、複数の読者から「背景事情についてもっと詳しく知りたい」という要請が寄せられるようになった。とくに、筆者にゴルバチョフ・ソ連大統領の生存情報を伝えてくれたアレクセイ・イリイン・ロシア共産党第2書記がどのような考えを持ち、なぜ筆者に重要情報を教えたのかについて詳しく知りたいという希望が多かった。

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