ディズニープラスおなじみの俳優がいないわけではありませんでした。超能力者ファミリーが激しい闘いを繰り広げるディズニープラスのヒットドラマ「ムービング」のメインキャストの1人、リュ・スンリョンもシンガポール発表会に参加していました。出演する1970年代の韓国を舞台にしたクライム・アクションの新作「パイン ならず者たち」(2025年独占配信)も話題作になりそうです。
TOP15の中、9本が韓国作品
そもそもアジア太平洋地域全域でNetflixはトップシェアを誇りますから、過去の出演作にNetflix配信作品が並ぶのは当然。それでも、ディズニープラスが自力でヒットさせた「ムービング」の勢いはしっかり押し出された印象です。「ムービング」はNetflixでもなければ、プライム・ビデオでもないディズニープラス韓国発オリジナルのイメージを確立し、時代や地域を超えて万人受けするストーリーとアクションで差別化に成功したからこそ、今回の発表会でカギを握る作品と言えるものでした。
「ムービング」の原作者であるカンフル自ら登壇し、カンフルが脚本も手掛けた新作ドラマ「照明店の客人たち」(2024年12月4日から独占配信)も目玉作品の1つとして紹介されました。再び看護師役を演じるパク・ボヨンが貫禄増すチュ・ジフンと共演し、生と死の境目を彷徨う人々を扱うホラージャンルで挑戦します。
さらに、「ムービング」シーズン2の制作が決まったことも発表されました。ウォルド・ディズニー・カンパニーでアジア太平洋地域のコンテンツを統括するキャロル・チョイから明かされ、韓国作品の制作に力を入れていることが強調されました。
チョイ曰く、2023年に公開されたディズニープラス配信作品のTOP15の中、9本が韓国作品だったそう。もちろんそれには「ムービング」も含まれ、実績を作る韓国コンテンツへの投資を強化する流れと言えるでしょう。
イギリスのアンペア・アナリシスの調査によると、配信作品全般でアメリカ以外のコンテンツ投資が増加傾向にあり、Netflixのアメリカ以外の投資率39%に対して、ディズニープラスは54%と高いことがわかっています。アジア発作品に積極投資する勢いを裏付けるものだと思います。
また調査機関メディア・パートナーズ・アジアが視聴時間などエンゲージメントシェアを調べた結果によると、インドやインドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、韓国ではディズニープラスはトップ5に入り、インドではディズニープラスはNetflixよりも高いシェアを獲得しています。こうしたデータからも納得できるものです。
これまで賞レースで劣勢でもあったディズニープラスですが、今年は日本の戦国時代を舞台にした真田広之主演のドラマ「SHOGUN 将軍」が米エミー賞でドラマ・シリーズ部門史上最多の18部門受賞をしたところ。ディズニープラスからアジア発のストーリーの勢いを伸ばしたいという思いもあるのではないのでしょうか。
シンガポールに集結し、世界最強IPのミッキーマウスと共にフォトセッションまでこなした出演者の作品群からすでにその勢いは十分に伝わってもきました。ディズニープラスの反撃が確かに始まっています。
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