再発防止策は?さいたま市PTA協議会、約1080万円の使徒不明金問題の「その後」 各校を束ねる上部団体、PTA連合の存在意義
――ほかにはどのような取り組みを行っていらっしゃいますか?
小日向:当協議会は10の行政区に分かれているのですが、各区ではさまざまな事業が行われています。事業の頻度や内容は区により異なりますが、例えば西区では、中学生のスポーツ大会や夏休み作品展の開催など、子どもたちの活躍の場を積極的に創出しています。
このような取り組みに対し、子どもたちが直接参加できるような事業に当協議会から補助金を出す「子どもの顔が見える事業」という制度があります。各区でこのような活動をより活性化できるよう、これまでの補助上限(1事業)5万円から10万円に引き上げ、前年度3月までの申請が必要だったものを、予算の範囲内であれば当該年度なら申請できるよう変更しました。
また、当協議会のホームページ内にある各区連合会の紹介コーナーを活用し、活動事例の共有や情報交換を促進する取り組みも行っています。
――さいたま市PTA協議会は、地域のP連の役割と存在意義についてどのように考えていますか。
郡島:P連が存在し、多くの学校が連携することで、行政への働きかけや大規模な災害時の支援活動など、単独の学校では難しいことを実現できます。
現に、2023年10月、「小学校3年生以下の子どものみで外出・留守番をさせることは『放置』で虐待に当たるとして禁⽌し、県民には放置されている子どもの通報義務を課す」という埼⽟県虐待禁⽌条例の改正案が提出されました。
この改正案は、保護者への精神的・経済的負担を強いるだけでなく、子どもの最善の利益を反映したものとは考えられず、当協議会ではこの改正案反対のオンライン署名活動を行いました。2万9000を超える署名が集まり、埼玉県に対し「埼⽟県虐待禁⽌条例の⼀部を改正する条例案」に反対する意⾒書を提出。改正案は取り下げられました。

(写真:さいたま市PTA協議会提供)
また、2024年1月の能登半島地震においては、被災地の教育委員会と連携し、各校PTAを通じて緊急支援募金を行いました。スケールメリットを生かし、関係各所と連携を取りながら大きな動きを働きかけることができるのが地域のP連の役割であり、存在意義であると思います。これからも、各校PTAの情報共有、コミュニケーションの場として会員の皆さんと共に学び、共に成長できるPTA活動に取り組んでいきたいと思います。
(注記のない写真:Andrei_R / PIXTA)
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