ワイン好きの評者はまず本書のタイトルに心を惹(ひ)かれた。休暇や仕事で山梨県や長野県など、日本のワイン産地に旅行することがあれば、旅先での食事の際には現地のワインを選ぶようにしている。近年はそうした機会に飲む日本ワインの実力に感銘を受けることが多い。とくにシャルドネ系の白ワインは、欧州や新世界(北米、南米、オセアニア、南アフリカなど)の同価格帯のワインに勝るとも劣らない優れたものに出合うことがしばしばある。
データと経済学の観点から「日本ワイン」を語る
本書は、多くのワイン好きが肌感覚で認識してきた「日本ワインとそれをとりまく環境」について、客観的なデータを用い経済学の観点から記述している。取り上げられているトピックは、日本におけるワインの生産と消費、日本のワイン産業、ワインの地理的表示、ワインと金融、ワイン貿易、ワインの統計、ワインの税金である。これらについて著者は、経済学、統計学やワインに関する諸制度の専門知識を持たない読者にもわかりやすく、基礎から解説している。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら