東京建物が巨額評価損、業界ドミノ倒しの予兆

とはいえ、市場関係者の間では、こうした事情はすでに織り込み済みだった。「中野や京橋は不良資産。タイミングだけの問題で、いずれは評価減されると考えていた」(野村証券の福島氏)。悪材料が出尽くしたことを好感し、株価も修正発表翌日から2日続伸している。

賃料値引きを誘発か

しかし、今回の損切りで一件落着というわけでもなさそうだ。

中野に隣接する新宿エリアでは、三菱地所や住友不動産といった競合他社の新規ビルが相次いで開業しているが、いずれも現時点では満室稼働には至っていない。このような環境では、東京建物による中野駅前の賃料見直しが呼び水となって、値引き競争が激化するおそれがある。

加えて、巨額の評価損を計上した3案件は、すべて複数社による共同開発事業。特に、梅田北ヤードはNTT都市開発や大林組など12もの企業が絡んでいる。「今回、東京建物が損失計上したことで、ほかの11社も次の決算発表時に追随する可能性が高い」(別のアナリスト)。

賃料の下落とSPCの評価減でドミノ倒しが起こるのか。不動産業界は戦々恐々としている。


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(猪澤顕明 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年12月24-31日新春合併特大号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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