グランドセイコーがロレックスを追撃できた理由 日本の職人技が世界最大のアメリカで高い支持

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従来の機械式に加え、独自ムーブメント(駆動装置)である「スプリングドライブ」を搭載したモデルも展開する。

機械式時計のゼンマイを動力源としながら、水晶振動子とICで精度を制御する仕組みで、なめらかな秒針の動きが従来とは異なる魅力を放つ。機械式時計でありながら正確な時刻を刻むことができ、クオーツに長けたセイコーならではの技術力が際立っている。

転機となったのは2017年

グランドセイコーはこうした日本らしい独自のデザインと高度な職人技術を前面に出したブランディングが奏功している。特に、技術に関心の高いシリコンバレーのIT技術者など、20代半ばから40代で経済的に余裕がある若年層から支持されている。ロレックスなどはもう少し年代が上の層が中心とみられ、顧客層はやや異なる。

「グランドセイコーは自分自身を楽しませるための時計、他のブランドは他人を感動させるために買う時計」。SNSやユーチューブなどではこうしたユニークな標語も生まれており、スイス製の高級時計と比較して評価するファンも目立っている。

セイコーは2010年頃からグランドセイコーを本格的に海外展開しているが、転機となったのは2017年だ。

グランドセイコーのブランド独立化を宣言し、大胆な戦略に乗り出した。それまでは「SEIKO」の一部門として展開していたが、ブランド独立を機に文字盤を一新。「SEIKO」のロゴをなくし、12時の位置に「Grand Seiko」のロゴを新たに配置することで、より高級感のあるブランドとして再定義した。

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