「若手教師に寄り添う」のがうまい中堅教員は何が違うか、実践に学ぶヒント 即「ジャッジを下す」はNG、共に悩み乗り越えて

こんなミドルさんがいたら、みんながハッピーになれる
「いい先生になりたい」「もっと成長したい」……子どもたちへの思いが強ければ強いほど、空回りばかりしてしまう。がんばりたい気持ちはあるのに、なかなか前に進めない。誰かに相談したいけど、そもそも相談していいことなのかわからない。仕事の優先順位がつけられず、すべての仕事を同じ熱量でこなそうとして、疲弊してしまう。
そんな不器用な「若手さん」を見たら、「ひ弱すぎる若手教員」「ちょっとネガティブすぎない?」と感じる人もいるでしょう。「いやいや、そういう若手さんなら、うちの学校にもいるよ」という人もいるかもしれません。

横浜創英中学・高等学校教諭
1988年、佐賀県生まれ。長崎大学教育学部卒業。初任時から東京都の教員採用をPRする代表若手教員に選ばれ、全国の採用説明会などで「東京都の教員の魅力」を伝えてきた。東京教師道場の部員として学んだ後、東京教師道場リーダーに。2年間部内の若手教員の育成に当たった。みんなのコード主催、プログラミング指導教員養成塾修了。著書に『先輩教師に学ぶリアルな働き方 中学教師1年目の教科書 ――こんな私でもいい先生になれますか?』(明治図書出版)がある
(写真提供:前川氏)
自らネガティブになりたいと望む若手さんはいません。その裏には必ず原因があり、周りに迷惑をかけてしまうことへの不安と、若手さんなりの遠慮や気遣いがあります。どうにかしたいのにうまくいかなくて、若手さんは本当に困っている状態です。
私はこれまで12年間、公立学校の現場で働いてきました。私がその間に接してきた若手教員との日常や、現場で見聞きしたこと、お世話になった先輩方の姿をもとに、「こんなミドルさんがいたら、みんながハッピーになれるなぁ」と思いながら、ミドルさんの傍で一人前に成長していく若手さんの物語を描きました。その一部を漫画とともに紹介します。
1年目の若手さんへの寄り添い方

「子どもが言うことを聞かない」「子どもからナメられて反抗される」。若手さんにありがちな悩みですが、問題は悩みそのものではありません。若手さんを「ドツボにはまらせない」ことです。そもそも初任者は「指導力がない」のがデフォルトです。
先輩教員から「それくらい自分で注意できないと、これからやっていけないよ」なんて言われた日には、若手さんは「やっぱり私、教員に向いてないんだろうか」などと諦めモードになってしまいます。必要以上に追い詰めすぎないようにしたいものです。