2カ月後に迫ってきた米大統領選挙。ハリス氏とトランプ氏が打ち出す方針は世界にどう影響するか。
ハリス米副大統領は8月22日に、民主党の党大会で大統領候補の指名受託演説を行った。11月の大統領選挙に向けて、共和党トランプ大統領候補との争点を際立たせるような発言を多く行い、トランプ氏を痛烈に批判した。
ハリス氏は、女性であること、移民の子であること、豊かな家の出身でないこと、過去に検事として大企業と戦ってきたことなど、自身のバックグラウンドを最大限利用して、自らの政策を強くアピールする戦略をとっている。
チャンスを均等にする「機会の経済」
演説では、自身の出身階層でもある中間層を強く支援する姿勢を改めて打ち出した。インド系の母は、豊かではなかったが、チャンスを生かせと教えてくれたと話す。これらの経験から、すべての人が機会を生かして成功できる機会均等の経済を目指すとし、それを「機会の経済」と呼んだ。
ハリス氏はこの演説に先立ち、8月16日に独自の経済政策案を示した。中間層支援とともに企業の不当な値上げを取り締まり、物価を下げることを目指す意欲的なものだ。一方、このハリス氏の経済政策の独自案は、エネルギー政策、税制、貿易政策などを含まない、いわば経済政策分野のごく一部に絞ったものとなっている。
ハリス氏は今後、これ以外で独自色のある経済政策、そのほかの政策を積極的に打ち出すことはしないのではないか。その結果、政策方針全体は、バイデン政権を基本的に継承するものとなるだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら