一方で、シリコン製の高密度配線を形成したインターポーザと呼ばれる基板を使用した技術を2.5D実装と言う。今、生成AIなどで大きな話題となっているエヌビディアのGPU製品も2.5D実装である。
これらに対して、チップ同士を積層したものを3D実装という。これ以外にもさまざまな接続方法(図2参照)があり、それらを適宜用いて「チップレット」として製品化している。
パネル、FOUP(フープ)とは?
さて、チップをつなぎ合わせる際に使用するインターポーザだが、これにも変化が起きている。従来は300㎜のシリコンウェーハを用いてシリコンインターポーザを製造していたが、インターポーザの大型化で1枚のウェーハから取れる枚数が減ってしまい、生産が追いつかなくなった。
そこで矩形状(四角形)のパネルを用いてインターポーザを製造することが検討されている。この矩形状のパネルのことを指して、単に「パネル」と呼ぶ。材料は樹脂やガラス、または複数の素材を積層したものがある。
現在、北海道で工場の建設が進んでいるラピダスが開発していこうとしているのも、この「パネル」を用いたチップレット技術であり、600㎜×600㎜の正方形のパネルでRDLインターポーザというものを製造する予定である。
これら半導体のパネルを収納するために使われる密閉容器にFOUP(フープ・Front Opening Unified Pod)がある。FOUPの技術は局所クリーン化技術(クリーンルーム内でさらにクリーンな場所を作る技術)を発展させたものだ。
大型パネルに局所クリーン化技術を用いた密閉容器であるFOUPを使用する理由は2つある。1つ目はパーティクル(微粒子の混入)対策である。2つ目が全自動搬送の対応のためだ。聞くところによると「パネル」を含めた総重量は50kgを大きく超えるようであり、密閉容器に入れた自動搬送が必須である。
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