和歌山毒物カレー事件のドキュメンタリー。最高裁の有罪判決に対し、綿密な取材で検証を試みている。
和歌山毒物カレー事件の真実
検証のヤマ場は現場で発見されたヒ素と林眞須美死刑囚の家にあったそれとの同一性についてだ。捜査機関側は当時画期的とされた大型放射光施設「SPring-8」を用いてヒ素の組成的特徴を抽出、その「パターン」を見て異同識別を行った。
しかし、弁護団から再鑑定の依頼を受けた科学者は最終的に目視に頼るのではなくほかの方法によるクロスチェックが必要であると指摘。これを受けて二村真弘監督が捜査機関側の鑑定方法では不十分ではないかという主旨の質問をすると、その鑑定を担当した科学者は「それを区別するのがほかの捜査であり、私の方法がすべてであるとはいえない」と述べた。しかし、捜査過程では「同一である」という鑑定結果だけが大きな影響を持ったのだ。
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