信州の「歴史と文化」を味わう非日常旅のすすめ 文豪が通った松本の奥座敷で「本に溺れる」贅沢

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松本十帖を担う、株式会社自遊人(小柳・支配人)の小沼百合香(こぬまゆりか)さんは

「リノベーション前の『小柳』は、あまり街に開かれておらず、“敷居が高い”と言われるような宿だったのです。

『小柳』の再生を引き受けたときに、宿泊者以外の観光客や地元の方々が足をのばせる、開けた場にすることが必要だと思いました。場を開くことで訪れる人の流れが変わり、街の空気が変わっていくのではないかと考えたからです」と話す。

広い部屋にはソファスペース、カウンターキッチン、ベッドがある
遮るものが少ない広々とした部屋。松本市街を一望できる(写真:松本十帖提供)

広大なエリア内には2つの宿泊施設「小柳」と「本箱」があり、そのほかブックストアや温泉、2つのカフェ、レストラン、ベーカリーなどが点在している。

「温泉街を人々が回遊すること」をイメージしているからだ。またこれまでは閉じていた旅館を街に開放するため、施設入り口を4カ所設けた。

松本十帖の個室のお風呂は、窓から緑を臨む
個室でも浅間温泉を楽しむことができる(写真:松本十帖提供)

一見するとそれぞれの機能がそろってこそ松本十帖なのだが、ふと眺めると、街に溶け込みそれぞれが独立している施設のようにも映るから面白い。

文化と哲学を感じる「本」をテーマに場を開く

松本十帖の楽しみ方は訪れた人に委ねられている。その可能性は無限大だ。だが、このエリアで印象的なのは、“文化”を起点にしていることだろう。

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