信州の「歴史と文化」を味わう非日常旅のすすめ 文豪が通った松本の奥座敷で「本に溺れる」贅沢

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2つのホテルのうち、1つは”本”をテーマにしたブックホテルだ。「豊かな知と出会う」をコンセプトに、5つの読書空間と、ブックストア「松本本箱』を併設する(宿泊者以外のストア利用は要予約)。

旧小柳の装いを残しつつリノベーションした館内は、5つの本のエリアから空間が作り上げられている。エントランスから館内に通じるゾーンには「本の道」コーナー。

抜けて現れるのは、厳選して選ばれた知の結集たちが集う「げんせん本箱」に、アートやファッションなど、大人の遊びココロを探す「オトナ本箱」が並ぶ。

平置きしている本と、棚に並べられた本
「オトナ本箱」スペース。タイルのテーブルやのれんが大浴場の面影を感じさせる(写真:松本十帖提供)

もちろん子どものための憩いのスペース「こども本箱」も。そして、レストラン「三六七(367)」にもブックコーナーを併設。信州の風土や歴史を目と舌とで味わうのだ。

このようにテーマで空間が分かれており、写真集や画集、エッセイや入門書を中心に約1万冊がそろう。選書したのはブックディレクターの幅允孝(はばよしたか)さんが率いるチーム『BACH』と、日本出版販売の選書チーム『ひらく』。

どこも落ち着いた色合いのトーンでしんと静まる空気、本を熟読するのにふさわしい空間だ。ホテル宿泊者はブックストアの閉店後も共用部で自由に本を読むことができる。

親子がボールプールのふちに腰かけて、読書を楽しむ様子
大浴場をリノベーションしたブックプール、「こども本箱」。2000冊の絵本が並ぶ(写真:松本十帖提供)

昨夏、私は系列のホテルである「箱根本箱」に滞在した。1日中本の空間、それも寝ても覚めても浸ることができるのは至福の極みだ。1万冊もあると何を選べばいいのか迷う。その迷うことすら楽しい。

お気に入りのジャンルに手をのばすもよし、直感で選ぶもよし。限りない時間と空間を独り占めすることができるのは、「本箱」ホテルだからできることなのだろう。

静かな古民家カフェで、自分の時間に集中

日帰りで訪れる人も本箱ストアに足をのばしたら、ぜひそのままカフェ「哲学と甘いもの。」へ。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事