暮らし視点の経済学 山家悠紀夫著

暮らし視点の経済学 山家悠紀夫著

徹底的に需要サイドから分析・政策提言した日本経済論であり、おのずと「新成長戦略」に対する批判の書となっている。政策批判は「暮らしが厳しくなったのも、国内需要の不振が長引いているのも、『構造改革』政策の悪しきツケである」とまでさかのぼる。

実際、日本は先進国の中で際立った形で、「賃金が上がらない(むしろ下がっている)から消費が増えない、消費が増えないから国内需要が不振に陥る」という景況が続いている。

著者は、需要サイドが主たる原因で景気が悪くなり、貧しい人が量産されたのだから、政策は供給サイドではなく、需要サイドに目を向けるべきだと説く。

では、賃金が上昇に反転するような経済構造に戻すにはどうすべきか。「週40時間労働で暮らせる社会」、「(北欧でなく)西欧並みの水準」の社会保障、「負担能力に応じた増税」を通じた独仏並みの国民負担率など、少数派ながら検討に値する諸政策を提言する。

新日本出版社 1890円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • この新車、買うならどのグレード?
  • インフレが日本を救う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
これが世界のビジネス常識<br>会社とジェンダー

「ジェンダーギャップ指数ランキング2021」で日本は120位という結果に。先進7カ国中で最下位かつ、女性の社会的地位が低いとされるアフリカ諸国よりも下です。根強く残る男女格差の解消は、日本経済が再び競争力を取り戻すために必須の条件です。

東洋経済education×ICT