米人気動画サイト「Hulu」が上陸、黒船に身構える日本勢
黒船来襲となるか──。
米国のテレビ番組やハリウッド映画を提供する、インターネット動画配信サイト「Hulu(フールー)」が9月1日、日本でのサービスを開始した。月額料金1480円で、「LOST」など人気の高い最新ドラマ数千話、最新映画数百本のコンテンツをテレビやパソコン、携帯端末などで見放題なのが売りだ。
フールーは2007年に米大手メディアのニューズ・コーポレーションとNBCユニバーサルが動画配信サイト「ユーチューブ」に対抗して立ち上げた。その後、ウォルト・ディズニーも参画。米4大地上波テレビのうちNBC、FOX、ABCのコンテンツを配信するなど、豊富なラインナップが強みだ。
米国では、広告をベースにした無料版と、月額7・99ドルの有料版を提供している。無料版はパソコン視聴のみだが、有料版は受像端末を選ばないうえ、より多くのコンテンツが視聴できる。
初の海外進出となる日本では有料版のみを展開。1日に都内で記者会見したフールーのジェイソン・カイラーCEOは「日本はネット環境が成熟しているうえ、消費者も当社のサービスを求めている」と成功に自信を示した。
ライバル上陸に身構えるのが、日本のメディアだ。8月には、民放キー局5社がネットで配信する動画をテレビでも視聴できるように合意するなど、防御に動く。民放が足並みをそろえるのは、ライブドア事件が話題となった06年、ネット企業に対抗して設立したポータルサイト「テレビドガッチ」以来のことだ。