ホンダとスズキ、最新ツアラーモデルを徹底比較 CRF1100Lアフリカツイン対GSX-S1000GXは何が違うか
実際に、筆者は、東京モーターサイクルショーの会場で両モデルの展示車両(前後輪を固定した状態)にまたがってみた。CRF1100Lアフリカツインは、アドベンチャースポーツES(DCT)で試したが、ワイドで高いグリップ位置となるバーハンドルなどにより、上体が起き気味となるポジションは、長距離でも疲れにくいことをうかがわせる。また、足着き性も片足ならカカトが少しだけ浮く程度で、車体を支えにくい感じはしない。
一方、GSX-S1000GXは、片足ならカカトがベッタリと着き、心理的な余裕度はさらに高い感じがした。232kgの車両重量でも、車体を支えやすいことが予想できる。また、ポジションは、こちらも上体が起き気味となり、市街地から高速道路の巡航まで、かなり楽に走れることが予想される。なお、両モデルともに、可変式のフロントスクリーンがあるため、アップライトなポジションでも、体に走行風を受けにくく、長旅でも快適で、疲労も少ない印象を受けた。
エンジン・燃費
次は、エンジン性能や燃費などを見てみよう。
【エンジンスペック・燃費】
●CRF1100Lアフリカツイン
・排気量・形式:1082cc・水冷4ストローク直列2気筒
・最高出力:75kW(102PS)/7500rpm
・最大トルク:112N・m(11.4kgf-m)/5500rpm
・変速機:常時噛合式6段リターン【電子式6段変速】
・燃料タンク容量:アドベンチャースポーツES=24L、<s>=18L
・燃費:WMTCモード値19.6km/L
*【 】内はDCT仕様車
●GSX-S1000GX
・排気量・形式:998cc・水冷4ストローク直列4気筒
・最高出力:110kW(150PS)/11000rpm
・最大トルク:105N・m(10.7kgf-m)/9250rpm
・変速機:常時噛合式6段リターン
・燃料タンク容量:19L
・燃費:WMTCモード値17.0km/L
GSX-S1000GXのエンジンは、排気量こそCRF1100Lアフリカツインより小さいが、もともとが、ハイスペックなスポーツバイク用の4気筒なので、最高出力は48PSも高い。ただし、最大トルクはCRF1100Lアフリカツインのほうが大きく、より低い回転数で発生する。しかも、前述のとおり、CRF1100Lアフリカツインは、先代モデルの105N・m(10.7kgf-m)/6250rpmより最大トルクを拡大。発生回転数もより低くなっている。より低回転域から発生する太いトルク特性により、市街地はもちろん、悪路などでも、さらに扱いやすい特性となったことがうかがえる。
対して、GSX-S1000GXは、高回転まで一気に吹け上がる直列4気筒ならではのパワー特性が魅力だろう。高速道路やワインディングなど、主にオンロードで高揚感のある加速性能を味わうことができるといえる。
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