当事者すべてを「ハッピー」にしたイランの報復攻撃 イランがイスラエルからの報復を恐れずに攻撃できる理由

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本稿執筆時点ではイスラエルからの正式発表はまだないが、2024年4月19日に今度はイスラエルがイランを報復攻撃した。攻撃内容は、イラン同様に「ほどよい」感じのレベルで終わり、この攻撃も「誰もがハッピー」という範ちゅうに入るものだ。

だが、戦争というものは、開戦時は開戦前にシナリオを描き、そのシナリオ通りに進められやすい。戦争初期の影響は、計算できる内容であり、その反響も予想範囲内に収まるものだ。

戦争を始めるのは簡単、止めるのは…

しかし、いったん始めてしまった戦争は往々にして徐々に制御不能となり、戦争の終わらせ方は難しく、当初予想通りにはけっしてならないものでもある。

戦場では、自分が負った傷のことは考えず、相手の傷ばかりを考えてそこを狙って攻撃する。誰もが、ただ勝つことだけを考えて戦う。筆者は、中東という地域での紛争・戦争は、当然、さまざまなストーリーが考えられるものの、結局、「最悪だ」と思われるシナリオが回避されず、実現の方向で動いてしまうと考えている。

アビール・アル・サマライ 「ハット研究所」所長

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イラク・バグダッド出身。バグダッドのテクノロジー大学コンピューターサイエンス学部卒業。湾岸戦争後の1991年末に来日。アラブ・イスラム言語文化専門シンクタンク「ハット研究所」所長。中東情勢や中東メディア報道研究、イスラム・中東問題の勉強会、ハラルやムスリム対応のビジネスコンサルティングなどを手掛ける。外務省研修所、慶應義塾大学、学習院大学非常勤講師。NHKアラビア語ラジオ講座出演。

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