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覇権の源泉「NATO」離脱を叫ぶトランプの愚 安全保障ネットワークの中心をなぜ手放そうとするのか

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共和党大統領候補ドナルド・トランプ元大統領(写真:アフロ)

トランプ前米大統領は北大西洋条約機構(NATO)に加盟する同盟国の国防支出が少なすぎると繰り返し批判しているが、アイゼンハワーまでさかのぼる米国の歴代大統領もまた、欧州に負担拡大の圧力を加えてきたことは、覚えておく価値がある。

NATO巡るトランプ氏の発言

とはいえ、今年2月にトランプ氏が外国の侵略国家に「滞納」加盟国を攻撃するようけしかけNATO同盟国の安全を直接的に危険にさらすまで、そうした言動を取る米大統領や米大統領候補はいなかった。トランプ氏の悪趣味な発言は、国内総生産(GDP)比で2%というNATOの国防費目標とNATOに対する直接的な支払いとを混同する紛らわしいものだ。

不公平な負担に対するトランプ氏の不満は一部の米国民にはもっともなものと映るだろう。主要な紛争地帯から遠く離れた米国が、なぜNATO同盟国平均の2倍の国防費を支出せねばならないのか。

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