中国BYD、「垂直統合モデル」が生む圧倒的競争力 EV・PHVの価格を下げても、2023年決算で8割増益

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中国の自動車市場では価格戦争が激化しており、完成車メーカーが粗利率を改善するのは容易なことではない。

BYDはEVやPHVの価格をエンジン車並みに引き下げた。写真は同社のエントリークラスPHV「秦PLUS DM-i」の2024年モデル(BYDのウェブサイトより)

にもかかわらず、BYDは率先して価格を下げると同時に、収益力を高めることにも成功した。その秘密は、同社が車載電池の部材からEV・PHVの完成車まで一貫して手がける「垂直統合型」のビジネスモデルを作り上げたことにある。

BYDは中国のEV・PHVの最大手であると同時に、車載電池でも(寧徳時代新能源科技[CATL]に次ぐ)市場シェア第2位の大手だ。完成車と電池の両方で市場のプライスリーダーの地位にあることが、高い収益力の源泉になっている。

50以上の国・地域に進出

同社は潤沢なキャッシュフローを元手に、積極的な研究開発投資を続けている。2023年の研究開発費は395億7500万元(約8298億円)に上り、前年の2.1倍に拡大。研究開発部門の人員規模は、2022年の約7万人から2023年は約10万人に増加した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

中国の自動車市場でEV販売の伸びが鈍化するなか、BYDが次なる成長機会として注力するのが海外市場の開拓だ。中国汽車工業協会のデータによれば、同社の2023年の輸出台数は25万2000台と、前年の4.3倍に増加した。

決算報告書によれば、BYDは2023年までに(自動車大国である)日本やドイツを含む50以上の国・地域に進出した。さらにタイ、ブラジル、ウズベキスタン、ハンガリーなどに完成車工場を建設しており、一部はすでに稼働している。

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は3月27日

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