近代科学は欧州が独力で成し遂げた偉業ではない 『科学文明の起源』書評

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『科学文明の起源 近代世界を生んだグローバルな科学の歴史』ジェイムズ・ポスケット 著
科学文明の起源 近代世界を生んだグローバルな科学の歴史(ジェイムズ・ポスケット 著/水谷 淳 訳/東洋経済新報社/3520円/566ページ)
[著者プロフィル]James Poskett/英ウォーリック大学准教授。科学技術史が専門。英ケンブリッジ大学で博士号を取得。ガーディアン、『ネイチャー』などに寄稿。2012年英国科学作家協会による最優秀新人賞を受賞。13年BBC新世代思想家賞の最終選考に残った。

「近代科学はヨーロッパで生まれたというストーリーは、単に間違っているだけでなく、深刻な悪影響をもたらす」。著者は科学にまつわる欧米中心史観の根底的な見直しを主張する人物だ。

中世ヨーロッパの思索家は、古代ギリシアやローマの書物を読み、暗唱し、それについて議論するのがつねだった。

だが16~18世紀、急に自然界の探究へと向かい始める。なぜなら、新世界の植民地化に伴いアステカやインカの知識が伝来したからだ。

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