JR花咲線「駅弁食いだおれ」おなかいっぱいの旅 かきめし、さんまそば、たこ飯弁当などなど

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なぜ花咲線にはこんなに駅弁が多いのか。JR北海道・釧路支社の担当者に聞いてみた。

――いつから駅弁を販売し始めたのでしょうか? また、最初に販売した駅弁は何ですか?

「2018年6月より、『いつもの列車で観光気分』の取り組みの1つとして、ご当地弁当を駅までお届けいただく企画を始めました。『株式会社タイエー』様の『焼きさんま寿司』『やきとり弁当』については、取り組み開始当初からご協力いただいております」

――そもそもなぜ花咲線でたくさんの駅弁を販売しようと思ったのでしょう?

「この企画を提案し、各店舗に賛同していただいたことから始まりました。『海鮮工房 霧娘』様の『たこ飯弁当』は2020年4月より参加、根室駅にて販売している『さんまそば』『さんま丼』は(有)汐彩様からのご希望で、2020年12月より駅での販売を開始しました。お弁当の内容につきましては、業者の方にお任せしております」

――今後も花咲線での駅弁販売は続きますか?

「引き続き、沿線の皆様にご協力いただきながら、この取り組みは続けていきたいです。花咲線をより多くの方に知っていただき、ご利用いただけるよう、沿線の豊かな自然や地域の魅力、素材の情報発信を強化し、利用促進を進めていきたいと考えています」

日本最東端駅の東根室駅(筆者撮影)

期間限定で弁当を車内販売

花咲線では、2021年から毎年夏頃に、期間限定で車内販売をしている。車内販売は「さんま丼」や「さんまそば」を根室駅構内で販売する「汐彩」が担当。駅弁を車内販売するなんて、かつての旅の愉しみが蘇ったようでうれしい。

「かつての車内販売に近い形で駅弁を売りたいと思いました。ちゃんとワゴンで、駅弁以外にはお菓子やホットコーヒー、グッズなども売っています」(汐彩)

汐彩はJR北海道の許可を受けて釧路駅構内での販売を始め、さらに通年販売しているので、JTB時刻表でも駅弁として認められ、欄外に駅弁名が載っている。ぜひ今年も車内販売を行ってほしいところだ。

駅弁が盛り上がっている地域が増えるのは、駅弁ファンとして大変うれしい。決して気軽に行ける場所ではないが、あの味、あの景色に会いに、わざわざ行く価値はある。これから先も、花咲線の駅弁が広く世間に知られ、定着することを願う。

西和田駅。花咲線は貨車駅舎の駅も多く見られる(筆者撮影)
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