普通二輪免許で乗れる英国車トライアンフの魅力 新型「スピード400/スクランブラー400X」試乗
「スピード400」はトライアンフの古きよき時代を彷彿させるロードスターモデルであり、一方の「スクランブラー400X」も1950年代のファクトリーレーサーのDNAを受け継ぐ正統派モデルとして誕生した。
【スピード400試乗】シングルスポーツらしい軽快さ
新400シリーズのために新たに開発された「TRシリーズエンジン」は、20世紀初頭に活躍した単気筒レーサー「トロフィー」にちなんで名づけられた。最高出力40PS/8000rpmを叩き出す水冷単気筒DOHC4バルブ排気量398ccエンジンはショートストローク設定で、シングルエンジンとしてはかなりの高回転高出力型。その名に恥じないハイスペックぶりである。
ワクワクしながら試乗開始。慎重にクラッチミートしてみるが意外なほど極低速からトルクフルで、アイドリングからでも発進できるほど。低中速から粘りのあるトルクと弾けるサウンドが耳に心地よい。加速中の回転上昇もスムーズで、アクセルを開ければレーシーな甲高い音とともにピーク8000rpmまであっという間に吹け上がる。
とはいえ、実用域では5000rpm~6000rpmぐらいでシフトアップしていくのがスムーズで、豊かな中速トルクに乗って流すのが気持ちいい。卸したての新車にもかかわらず、6速ミッションのタッチも節度感があって滑らか。減速しながらの連続シフトダウンでもスリッパークラッチが過度なエンブレをきれいにいなしてくれる。
足まわりもハイグレードだ。前後サスペンションは倒立ビッグピストンフォークに外部リザーバーとプリロード調整付きのモノショックに加え、ブレーキもフロント4ポットラジアルキャリパーに前後ABS仕様と充実。サスペンションのストローク量はフロント140mm、リア130mmと標準的だが、しなやかな動きと適度なコシ感もある。快適性とスポーティさを併せ持つストリート向きの幅広い設定になっているようだ。
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