三越伊勢丹と連携、メタバース上の「アバターの服をデザイン」する授業の効果 未来のファッションをテーマに創造力を育てる
各校の教育方針に応じて授業・ワークショップを展開
仲田氏は、2019年に社内起業制度を活用し、アバターへのファッション価値やライフスタイルを提案する「仮想店舗とデジタルウエア事業」のトライアルを実施。2021年より、アバターを操作して仮想都市を歩きながら、さまざまな人とのコミュニケーションや買い物、イベントなどを楽しむことができる、メタバースを活用したスマホアプリ「REV WORLDS」事業の運営を開始した。

「その際、今回のプロジェクトにも参加いただいている三鷹市立第三小学校さんからお声がけいただき、5年生の総合的な学習『テクノロジーと人間が共生する社会とは?』でコラボ授業をさせていただきました。子どもたちに、仮想空間の体験やアバターという3次元でのコミュニケーションを通してアバターの服をデザインしてもらい、仮想世界でバーチャルファッションショーを実施したのですが、その想像力や発想力の豊かさに感銘を受け、またチャンスがあればぜひ連携させていただきたいと思いました」という。
社内のほかのプロジェクトでつながりのあった⾹川⼤学教育学部附属⾼松⼩学校、軽井沢⾵越学園も参加校として加わり、仲田氏をはじめとする社内スタッフ3名が中心となって「フューチャーファッションワークショップチーム」を結成。3校それぞれに出張しながら授業・ワークショップに取り組んだ。
「フューチャーファッションワークショップチーム」では、ワークショップを開催するにあたり、「3つの未来シナリオについて」の授業を皮切りに、ステップ1からステップ8までの授業の流れの基本をつくった。ちなみに、未来シナリオは、東京とアメリカを拠点に未来を構想する企業「未来予報」とともに開発したという。
step1 3つの未来テーマの授業を受ける (2023年10月1コマ)
step2 未来の暮らしをグループで考える (10月1コマ)
step3 未来のファッションのデザインをつくる (11月)
step4 自分たちの考えをプレゼンする (12月上旬)
step5 審査会 入賞したらCG化、大賞はリアル生産化
step6 三越劇場にて表彰式 (2024年3月19日)
step7 メタバース上のランウェイに登場(3月20日)
step8 伊勢丹新宿本店にてショーウィンドウに展示(3月20日〜4月9日)
「私どもで考えた授業の流れを基本に、各学校の先生方と綿密に話し合いを重ねながら、それぞれ学校の教育方針に応じてカリキュラムを検討していきました。学校により異なりますが、1カ月から2カ月半くらいの期間をかけて進めました」
グループワークにポジティブに向き合う子どもたち
2024年2月のとある日。三鷹市立第三小学校4年生の「未来の暮らしを考えよう」プロジェクトにおいて、自分たちが考えた未来のファッションについての最終プレゼンテーション大会が行われた。
三鷹市立第三小学校では、「循環」を基本の概念に、2023年10月から総合的な学習の時間に加え、国語の単元「山場のある物語を書こう」、図工の単元「ひみつのすみか」の授業も活用し、教科横断的に学びを進めてきた。
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