「はしか感染」が欧州で40倍超に増えた深刻理由 予防接種率の低下、他の感染症増加の前触れに
ワクチンで予防できる病気の麻疹(はしか)がヨーロッパとイギリスで再流行し、アメリカでもいくつかの地域で小規模な感染流行が起きている。
ヨーロッパでは2023年に報告されたはしかの感染件数が前年の40倍以上に増えたと、世界保健機関(WHO)が23日に発表した。うち3分の1近くがカザフスタンで報告されたもので、定期的な予防接種を受けなかった子どもたちが感染拡大の主な原因とされる。専門家らは、はしかウイルスの感染がカザフスタン以外の地域へと広がっていくことを懸念している。
アメリカで感染が増えている背景
アメリカの感染例の大部分は、国外旅行と関連づけられている。昨年報告された感染者数は、新型コロナウイルスのパンデミック以前のほとんどの年よりは少なかった。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ではしか対策チームを率いるデビッド・シュガーマン医師によると、はしかに感染しても症状は軽いこともあるが、感染した子どもの最大で半数は病院での治療が必要になるようだ。
はしかに感染した子どもは、下痢や脱水、呼吸器系に長期的な問題をもたらす肺炎、神経疾患を引き起こす脳炎などの症状に苦しむ場合があると、シュガーマン氏は言う。