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原発事故東京訴訟、「区域外避難者」の切実な願い 国の責任、被曝の危険は高裁判決でどう判断されるか

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2023年6月20日、東京高裁に入廷する東京訴訟の原告と弁護団(撮影:おしどりケン)

東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所事故で住まいを奪われた住民による訴訟の判決が2023年12月26日、東京高等裁判所で言い渡される。

2022年6月17日に「事故は回避できなかった」とする最高裁判所の判決が出されて以降、その後も続く地裁や高裁の訴訟では国の法的責任を否定したり、賠償額を低い水準に抑え込んだりする判決が相次ぐ。第一審で国の責任が認められた東京訴訟の高裁判決はそうした流れを食い止めるのか、注目されている。

東京訴訟の原告は17世帯48人。そのほとんどが、福島県いわき市など国による避難指示が出されなかった区域からの避難者だ。「区域外避難者」と呼ばれる人たちは、なぜ避難を決意したのか。原告団長の鴨下祐也さん(55歳)は国の責任の認定とともに、被害の実態を直視した判決を望んでいる。

想像を超えた放射能汚染の広がり

「2022年の最高裁判決の内容には強い違和感を抱いている。最高裁判決では事故は防げなかったとしているが、建屋の水密化に加えて予備電源さえきちんと用意していれば、これだけ深刻な事故にはならなかったはず。そのことは、福島第一原発の設計にたずさわった専門家が法廷で証言している。つまり私たちのような避難指示が出されていない『区域外』の住民までもが放射能汚染から逃れなければならないほどの重大事故は防げたと思う」(鴨下さん)

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