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キヤノン、御手洗会長が整えた事業転換の足場 柱の事務機事業は売り上げ比率が半分以下に

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事務機とカメラの会社だった。

キヤノンのロゴと御手洗冨士夫会長兼社長CEO
(撮影:尾形文繁)

特集「キヤノン 10年後の姿」の他の記事を読む

近年のM&Aで成長への布石を打ったキヤノン。経営陣に次世代を抜擢するなど、次の10年に向けて動き出した。『週刊東洋経済』12月16日号の第2特集は「キヤノン 10年後の姿」だ。
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10月19日からの2日間、横浜市内で開かれた展示会「キヤノンエキスポ」。3万人を超える来場者の目当ての1つが、キヤノンが約10年にわたって開発を続け、エキスポ開催の1週間前に発売にこぎ着けた「ナノインプリント半導体製造装置」だった。

半導体にはナノ(10億分の1)メートル単位の電子回路が刻まれている。半導体の基板材料であるシリコンウェハーに回路を描く方法は、大きなガラス製の原版に描いた回路を高性能なレンズを介して縮小・投影し、波長の短い光で焼き付けるのが主流。キヤノンの新装置は、回路が彫り込まれた原版をスタンプのように押し当てることで、ウェハーに回路を描く。

メタレンズの製造にも使える

「立体的かつ微細な構造を1回でスタンプ転写できるナノインプリント装置は、メタレンズの製造にも使える」。水色のポロシャツを着たキヤノンの技術者が装置の説明をする。それを聞いた来場者からは次々と質問が寄せられた。

メタレンズとは微細な構造で光を制御する極薄レンズ。これを使えばレンズユニットのサイズを小さくでき、スマートフォンのカメラの出っ張りをなくせるなどの可能性がある。ナノインプリント装置なら、加工の難しいメタレンズを短時間で量産できるとのことだ。

新型コロナウイルスの影響などで延期され、2015年以来の開催となった今回のエキスポ。開会式で御手洗冨士夫会長兼社長CEO(最高経営責任者)は、詰めかけた来場者を前に呼びかけた。

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