有料会員限定

ダイキン井上会長が語るキヤノン御手洗氏の実像 「後継者が育っているのかがいちばん心配」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
拡大
縮小

経営者・御手洗氏とは。

ダイキン工業会長 井上礼之氏
井上礼之(いのうえ・のりゆき)/ダイキン工業会長。1935年生まれ。同志社大学経済学部卒業。57年に大阪金属工業(現ダイキン工業)入社。94年に社長就任。2002年に会長兼CEO、14年からは会長兼グローバルグループ代表執行役員(撮影:ヒラオカスタジオ)

特集「キヤノン 10年後の姿」の他の記事を読む

近年のM&Aで成長への布石を打ったキヤノン。経営陣に次世代を抜擢するなど、次の10年に向けて動き出した。『週刊東洋経済』12月16日号の第2特集は「キヤノン 10年後の姿」だ。
週刊東洋経済 2023年12/16特大号(株の道場 新NISA時代に勝てる株)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年12/16特大号(株の道場 新NISA時代に勝てる株)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

ダイキン工業を世界的な空調機器メーカーに育てた同社会長の井上礼之氏。キヤノンの御手洗冨士夫氏とは同じ88歳で、ともに現役経営者だ。親交も深い井上氏に「経営者・御手洗氏」を語ってもらった。

彼と経営の話をしたことはないが、キヤノンとダイキンの経営はよく似ている。両社ともに基本戦略はグローバル化と多角化だ。売上高は約4兆円と同規模で、そのうち8割が海外。かつ、日本、米国、欧州、その他アジアの4極で、売り上げのバランスがとれている。

次に、中核技術をもって多角化を進めてきた点。キヤノンは複合機にカメラ、医療機器と多角化を進めているが、その核には世界トップレベルの光学技術がある。各事業はバラバラの飛び石ではない。だから成功している。

規模の拡大だけが成長ではない

キヤノンの光学技術に当たるのが、うちではヒートポンプやインバーターといった空調技術。ダイキンは海外企業の買収で大きくなったともいえるが、核として空調技術がある。キヤノンと似ているのを見て、うちがやっていることは間違っていないなと確証を得たことは大きい。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内