トヨタ自動車は震災の影響による減産で3期ぶり営業減益、ただ会社計画は上振れへ

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トヨタ自動車は震災の影響による減産で3期ぶり営業減益、ただ会社計画は上振れへ

トヨタ自動車は10日、2012年3月期の会社業績計画を開示した。期初計画は売上高は18兆6000億円(前期比2%減)、営業利益3000億円(同35.9%減)。ただ会社計画は慎重で、東洋経済は表記まで営業減益幅が縮まると予想している。

トヨタにとっては3年ぶりの営業減益となる。前提となる世界販売台数は724万台で、前期の731万台を1%弱下回る。内訳は国内が193万台(0.9%増)、海外が531万台(1.6%減)。前期割れの要因は震災の影響で部品調達が難航し、上期に減産を余儀なくされたことだ。後半のばん回により、世界生産台数は739万台と前期を上回る計画だ、流通在庫の補充が必要なために販売台数は微減となる。

 前期に1ドル85円だった為替は82円で想定しており、これも収益圧迫要因となる。

ただ、国内では6月の生産が震災前の9割程度の水準に戻るほか、海外での生産も回復が進んでいる。東洋経済はこういった回復状況を踏まえると会社の予想は保守的とみている。また海外での販売見通しについてはトヨタも精査中で、8月の第1四半期(4~6月期)の実績発表にあわせて計画を上方修正する公算が大きい。

(撮影:風間仁一郎 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
◎本2011.03   18,993,688    468,279    563,290    408,183
◎本2012.03予  18,700,000    400,000    500,000    350,000
◎本2013.03予  21,000,000    800,000    900,000    600,000
◎中2010.09    9,678,492    323,120    392,073    289,156
◎中2011.09予   7,700,000    -50,000          0          0
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
◎本2011.03        130.2         50 
◎本2012.03予       111.6         50 
◎本2013.03予       191.3      50-80 
◎中2010.09         92.2         20 
◎中2011.09予         0.0         25 
西村 豪太 東洋経済 コラムニスト

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にしむら ごうた / Gota Nishimura

1992年に東洋経済新報社入社。2016年10月から2018年末まで、また2020年10月から2022年3月の二度にわたり『週刊東洋経済』編集長。現在は同社コラムニスト。2004年から2005年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。著書に『米中経済戦争』(東洋経済新報社)。

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