対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIのミラ・ムラティ暫定最高経営責任者(CEO)は、17日にCEOを解任されたサム・アルトマン氏と、アルトマン氏解任を受けて抗議の社長辞任を表明したグレッグ・ブロックマン氏の復職を計画している。事情を直接知る複数の関係者が明らかにした。どのような役割での復職とするかはまだ最終決定していない。
関係者によれば、取締役会によるアルトマン氏解任後に暫定CEOに起用されたムラティ氏は、知識共有プラットフォームのQuora(クォーラ)の共同創業者兼CEOで、オープンAI取締役会の代表の1人を務めているアダム・ディアンジェロ氏と交渉している。関係者は交渉が部外秘で流動的なことを理由に匿名を条件に語った。
独自のCEO起用を目指す動きも
ムラティ氏がアルトマン氏、ブロックマン両氏の復職に向けて取り組む一方で、オープンAIの取締役会メンバーはアルトマン氏の後任となる独自のCEO起用を目指していると、後任候補探しについて直接知る関係者1人が話した。
オープンAIの最大の投資家であるマイクロソフトやベンチャーキャピタル(VC)会社スライブ・キャピタルは、取締役会の退任とアルトマン氏のCEOとしての復職を求めており、後任のCEOを別途起用しようとする取締役会の動きは、こうした投資家に対する痛烈な反論と言える。
事情に詳しい複数の関係者の話では、取締役会は後任のCEOにエメット・シアー氏を起用することにした。シアー氏は米アマゾン・ドット・コムのライブストリーミングサービス「トゥイッチ」のCEOを今年辞任した。
こうした並行した動きはオープンAIにおける深い溝を浮き彫りにするものだ。オープンAIを非営利団体から商業的に成功するビジネスへと転換させる取り組みを主導してきたアルトマン氏は、技術の安全性の側面に十分な配慮がないまま同氏があまりにも早急に事を運んでいると懸念する取締役会メンバーと対立していた。
関連記事:
- オープンAIのアルトマン氏復職交渉が暗礁に-取締役会の役割で
- サム・アルトマン氏の敵と味方、オープンAIの内紛劇で表舞台に
原題:OpenAI’s Murati Aims to Re-Hire Altman, Brockman After Exits、OpenAI Board Taps Former Twitch CEO Shear to Succeed Altman (1)(抜粋)
--取材協力:Rachel Metz.
(並行する動きの背景を追加して更新します)
More stories like this are available on bloomberg.com
著者:Ashlee Vance、Dina Bass、Edward Ludlow、Emily Chang
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら