盲点?「男性社員」へのセクハラに気をつけよ 「新人カワイイ」と連呼する女性社員……

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「性的言動に対する価値観や受け止め方には個人差があります。比較的大らかで気にしない人もいれば、激しい嫌悪感を抱く人もいますので、受け手によって不快に思うケースと思わないケースがあるでしょう」

発言する人と受け手がどんな関係なのかも関わってきそうだが、その点はどうだろうか。

「もちろん関わってきます。極端な例ですが、たとえば大好きな恋人に『ずっと側にいたい』と言われればうれしいけれど、特に親しくもない上司に『ずっと側にいたい』と言われたら気持ち悪いと感じるわけです」

「言葉のセクハラ」を軽く考えてはいけない

このように述べたうえで、南川弁護士は次のように警鐘を鳴らしていた。

「言葉のセクハラについては、特に発言する側が軽く考えがちです。しかし、相手が嫌がっているのにセクハラ的な発言を繰り返していると、会社から懲戒処分を受けたり、相手から損害賠償請求を受けたりすることにもなりかねません。

今年2月にも、女性社員に言葉のセクハラ行為を繰り返した管理職の男性について、会社が懲戒などの処分にしたことについて、最高裁が『会社の処分は適法である』と判断したことがニュースになりました。

安易に『これくらい平気だろう』と思わず、相手が嫌がるような言動は慎んだほうがよいでしょう」

南川 麻由子(なんかわ・まゆこ)弁護士
インターネット・SNS関連や、離婚、相続、遺言作成、成年後見等を得意分野とし、民事・家事・刑事等幅広い分野に対応。子どもや市民向け法律講座や企業セミナー講師等も多数担当する。Twitterアカウントは@lawyerMAYUZO。
事務所名:弁護士法人リバーシティ法律事務所

 

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