小学校の英語必修化から3年、「英語の勉強が好き」が7割に安心できない訳 ALT派遣企業の「英語イベント」の狙いと効果

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冒頭で紹介した対面とリアルを組み合わせた「オンラインブレンディッド」の活動を取り入れているのも、そのためだ。1対1での会話はもちろん、今回集まったさまざまな国出身のALT48人と関わることができるのは貴重な体験といえるだろう。

イベントでは、そのほかにも「オススメの国、場所を紹介しよう」「3ヒントクイズを出し合おう」「たし算・ひき算の問題を出し合おう」「伝言ゲームをしよう」「『うちわ』を作ろう」「『風鈴』を作ろう」など12のプログラムが用意されていた。いずれも「英語を学ぶ」のではなく、「英語を手段として学ぶ」イマージョン教育をコンセプトにしている。

いずれのプログラムも「英語を学ぶ」のではなく、「英語を手段として学ぶ」イマージョン教育をコンセプトにしている

そもそも大和田南小はユネスコスクール(ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校)で、これまでもギリシャやアゼルバイジャン、ブラジル、台湾など世界中の学校とオンラインで交流を行ってきた。教育目標「世界に生きる大南の子」からもわかるように、外国語教育に力を入れており、英検にも積極的にチャレンジしている学校だ。それもあって、校長をはじめ周りの先生たちも当初から英語イベントの開催に協力的だったという。

ハートコーポレイションからはALTが48人参加。千葉商業高等学校の生徒3名(2列目中央)もイベント運営をサポートした

「先生方の協力があってこそできるイベントですが、今後もこうした活動を増やしていきたいと考えています」と話すのはハートコーポレイションの萩野谷早紀氏だ。同社は英語好きを増やしたい、子どもたちの英語力を伸ばしたいという思いで、イベント運営を行っている。費用は、自治体のALT事業費で賄っており、児童は教材費として500円支払って参加している。

谷脇氏は「小学校の英語は、話すことがメイン。物おじせずに話すことを経験しているかどうかで違ってくる」と話すが、英語への興味・関心、また学習の動機づけに、生きた英語に触れながら習った英語を使う機会、そこで「できた」という経験は大事だということだろう。

小学校から中学校へスムーズに接続できるか

2020年に小学校で英語が必修になってから3年が経つ。従来、5・6年生で行っていた外国語活動を3・4年生に前倒しし、5・6年生では教科として英語を学ぶようになった。

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