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ある日、千葉県の会社の会議室。約束の時間になると、50歳ほどの社長が作業着姿で飛び込んできた。興奮して顔が真っ赤になっている。
「実は今日、団交をやってるんですよ」
朝から労組との団体交渉が続いているという。
「大変じゃないですか」
「そりゃあもう、ワーワーやってますからね」
そう身振り手振りで話す社長は、何か楽しそうである。
「大丈夫ですか。日を改めましょうか?」
「いやいや、大丈夫です。もうすぐパーンと手打ちになってね、机に一升瓶が出てきて、みんなでワーッて飲むんですよ」
「……」
この会社、一事が万事である。
先日も、地元の若者たちが地ビールを造ると、本社内のカフェテラスに地元の人が集まり「お披露目会」が開かれた。市長から住民、そして社員が身動きのとれないほど集まり、夜更けまで祝杯をあげた。
小湊鉄道。
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