
(イラスト:北沢夕芸)
私は原稿を喫茶店で書くようにしている。すると、いやでも聞こえてくるのが、大きい声で話すマダムたちの会話だ。マスク着用の緩和もあって、先日も「あの話」が店内に響きわたっていた。
「世の中って、絶対に儲かる仕組みってあるのよねえ」
チラッと見る。バッチリ化粧をしたマダムが、知人を前にして、自信たっぷりに話している。
「え、それ大丈夫?」
「って思うでしょ。私も最初は疑って勉強したわよ。先生に質問してさ。家にもお邪魔して、確信したわ。世界が違うのよ」
知人は黙ってお茶を飲む。
「奥さんも親戚もやってるのよ。で、みんな余裕なわけ。冬は全員、ハワイに飛んで、コンドミニアムで過ごしてるからね」
「で、どういう仕組みなの?」
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