コロナ禍「物流混乱」に荷主企業はどう対抗したか 輸送手段を複数確保する「複線化」などを実施

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たくさんのコンテナを運ぶ貨物船
(写真:Avigatorphotographer/PIXTA)

コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱は、荷主企業が従来のやり方を再考する機会となった。2020年下半期以降、労働者不足とモノ需要の変則的な高まりを原因として、世界中で物資輸送が滞った。原材料や製品の在庫が不足すれば生産が遅れ、販売機会も失われる。日本では、貨物がどこの港に届くかわからないという問題まで起こった。企業の資金繰りにも影響を与えた。

要因としては、物資調達のリードタイムが長くなったために、危機に備えて残す安全在庫が底を突いたことが挙げられる。多くの日本企業は在庫を最少化するリーン型物流を志向しており、欧米工場の在庫水準が5〜7日分程度の企業も存在していた。21年以降、自動車や電気機械産業などでは在庫が不足気味で展開してきた。コロナ禍は、リーン型物流の弱点を直撃したといえる。

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