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中国の超高齢化に備えてツムラが老舗を買収 成長する中医薬市場への足がかりを築いた

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老舗メーカーの買収で、成長する中医薬市場への足がかりを築いた。新たな協力関係の成功事例となるか。

北京の伝統的な薬局の店頭風景
超高齢化が迫る中国で漢方薬への期待は大きい。写真は北京の伝統的な薬局の店頭風景(写真:AFP=時事)

中国で100年以上の歴史を持つ老舗の中医薬(漢方薬)企業を今年4月、ツムラの中国グループ企業が買収し、中国市場への進出を加速している。中国では高齢化などを背景に中医薬市場が成長しているが、日本企業は漢方薬の研究開発で豊富な蓄積があり、技術力を生かす道もありそうだ。

ツムラにとっての中国の存在

ツムラが買収したのは製薬企業、陝西紫光辰済薬業(紫光辰済、陝西省宝鶏市)。ツムラが56%、中国の保険会社、平安人寿保険が44%を出資するグループ企業、平安津村(上海市)が紫光辰済の株式を100%取得し、完全子会社とした。

紫光辰済は1918年創業、「達興堂」の屋号で漢方薬の製造販売を手がけ、成長した。社会主義革命後の58年、政府に接収されて国営工場となり、改革開放後の90年代末からは株式制企業に転換したが、次々と所有者が変わり、有効な投資がなされないまま業績は低迷していた。しかし歴史ある企業だけに伝統的な漢方薬の処方を多数所有するなど、潜在力は大きなものがある。

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