菅前首相、移民政策「思い切って方向性出す時期」 橋下徹氏「外国人は社会の構成員」として考える

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橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):いま在留外国人の数はどんどん増えていて過去最多総人口の2.46%、約307万人になっている。外国人労働者数もものすごく増えている。こうなると外国人を単純に人手不足解消のための手段として考えるのではなく、社会の構成員として考えないと、いまもうひずみが出てきている。国立社会保障・人口問題研究所が将来の人口推計を出したが、あの中では年金について外国人の保険料を前提とする議論になっている。自民党内には移民政策は採らないと主張する人たちがいるが、現実がこうなっている以上はもう真正面から外国人を受け入れる、これはもう移民政策というべきだ。ただ、どういう外国人に来てもらうかということはしっかり考える、もうそういう議論をしなければいけないと思う。特定技能は、菅さんが突破してつくってくれたものだが、対象業種が限られている。日本側からこの業種に来てもらいたいと言っているだけだ。外国人からは違う業種で働きたいという要望がたくさんある。新聞報道では特に美容師などがすごい人気だそうだ。日本の美容師の技術はすごい。だけど在留資格がものすごく厳格でなかなかこの分野で外国人は働けない。この分野で働きたいという外国人労働者の要望を受けた政策をつくっていく必要がある。

(画像:FNNプライムオンライン)

日本の人口と外国人の受け入れを検討する理由

市川眞一氏(ピクテ・ジャパン シニア・フェロー):先ほど橋下さんが言ったように、4月26日に国立社会保障・人口問題研究所が将来人口推計の新しいものを発表した。今後30年間、日本の生産人口は年1%ずつ減っていくが、実は日本人は1.3%ずつ減り、外国人が3.1%ずつ増えていく見通しになっている。来年は公的年金制度の財政検証の年にあたるが、多分この国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を前提に物事を立てていくことになる。そうすると、日本に定住する外国人が毎年3%ずつ増えないと、年金制度が成り立たないという状況に実はなっている。菅官房長官時代に法律改正があり、特定技能の外国人労働者の権利を守るということはできた。その一方でいろいろ問題がある。実は日本で働いてもらうために来てもらっているのに、特定技能制度のそもそもの建付けは「国際貢献」のままだ。その辺の考え方を抜本的に変えないと外国人が安心して日本に働きにくるということにはならない。そういう外国人労働者を前提にしないと、もう年金制度を維持できない状況になってきている。もうぎりぎりのところにきていると思う。

橋下氏:何でもかんでも日本に来てくださいということではないが、移民政策という言葉を使うだけで自民党内では拒絶反応が出るのか。

菅前首相:制度を作った当時は特定技能1号、2号にして、(外国人労働者受け入れは)徐々にという形だったのだが、そのスピードではもう難しくなっているのが現実だと思っている。

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