
4月27日、ニューハンプシャー州で大統領選挙に向けた演説を行ったトランプ前大統領(写真:AP/アフロ)
バイデン大統領が3分間ほどの味気ないビデオで再選を目指す意向を表明し、来年の米大統領選挙は、今のところ同大統領とトランプ前大統領の対決となる公算が大だ。ただ、世論調査では米市民の6〜7割が2人について「大統領選挙に出馬してほしくない」と本音を吐いている。激しく分断された政治の行き詰まりにあきれた世論の反応だ。
そうした中、このところの大統領選挙に関する固定観念に修正を迫る分析が出て、論議を巻き起こしている。人種差別意識の強い白人有権者の支持がトランプ前大統領の登場を促したというのは、どうも誤解らしいことが、最新の選挙データ分析で浮かび上がった。
トランプ現象の分析結果
近年の米国政治を大きく揺り動かしてきたのは、人種や民族などでの少数派(マイノリティー)の権利拡大や利益を代弁してきたアイデンティティー政治だ。追い詰められた多数派である白人の反動が起きて、差別主義が噴出した。それがトランプ現象だという分析や評論が数多くなされてきた。
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