日本PTA全国協議会から退会、生まれ変わった「東京都PTA協議会」の大変化 「会員・非会員の区別なくし会費もなし」の本意
日P退会により、メディアなどでしばしば図示される、日P(最上位団体)を頂点とする都道府県P連(上部団体)→市区町村郡P連→単Pと重層的に広がるPTAの「ピラミッド型」の構造から抜け出した形になった都P。
しかし、「そもそも『自分たちは上部組織である』という意識はあまり持っていないんですよね。ただ、日Pからの退会により、僕たち都Pと都内のP連、単Pが、ピラミッドではなく、上も下もないフラットな形でつながる都道府県P連の新しいスタイルを提示できたのではないかとは思います」と、岡部氏は言う。
「イメージ的には、童話『おおきなかぶ』の物語の中で、みんなのいちばん後ろでかぶを抜こうとしているのが都Pかな、と。都Pの前にはP連、P連の前には単Pがいて、みんなで力を合わせてかぶを抜いて、出てきたかぶは、子どもたちの笑顔。いちばん後ろにいる都Pの僕たちから、かぶ(=子どもたちの笑顔)は見えないけれど、単Pからはよく見えるじゃないですか。そんな存在でありたいと思います」
大きく変わった運営方針や活動内容の周知に力を入れる
都Pの目下の課題は、大きく変わった運営方針や活動内容の周知だという。
「ホームページでの発信や『PTA東京かわら版』の郵送に加え、都Pの活動に興味を抱いてくれるP連や単Pに可能な範囲で直接つながり、市区町村の連合会に顔を出させていただいたりしながら詳細をお伝えしていくような動きをしていこうと思っています。
また、任意加入や個人情報取り扱いなどに関する都Pとしての考えも、今後ホームページ上で随時発信していく予定です」
「前例踏襲的」「義務感が強い」など、PTAと同様ネガティブなイメージが強いP連なだけに、「○○のP連が△△を退会」といったニュースは話題になりやすく、とかく対立構造があおられがちだが、岡部氏は「日Pからの退会は、『僕たちの活動をよりよくしていくためにどうするか』と考え抜いた結果出た結論の1つ。当たり前ですが、日Pとは会員としての関係が切れただけで、けんか別れをしたわけではありません。都の組織と全国組織としての関係はこれからも続いていきますし、ほかの都道府県P連の退会を助長するつもりもありません」と言う。
とはいえ、都Pの一連の改革は、これまでの都道府県P連のあり方や運営方法について改めて考えるきっかけになりうるのではないだろうか。“新生・都P”のこれからに注目していきたい。
(注記のない写真:Graphs / PIXTA)
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