日本PTA全国協議会から退会、生まれ変わった「東京都PTA協議会」の大変化 「会員・非会員の区別なくし会費もなし」の本意

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任意加入に移行、「ボランティア制」の導入など、負担軽減や参加しやすさを目的に改善を進める各校のPTA。それと比較して、前例踏襲的な運営スタイルから脱却できず、その目的と役割が疑問視される傾向にあるのが、各校のPTAを束ねる地域のPTA連合会・協議会や、その上部団体と呼ばれる都道府県PTA連合会・協議会、PTAの最上位団体といわれる「日本PTA全国協議会」だ。そんな中、「東京都小学校PTA協議会」は、2023年3月末をもって「日本PTA全国協議会」を退会。23年1月に「東京都PTA協議会」と名称変更し、4月より新たなスタートを切った。「東京都PTA協議会」会長の岡部健作氏に、“新生・都P”の目指す姿や、今求められる上部団体のあり方について取材した。

会員・非会員の区別をなくし、会費ゼロの“新生・都P”に

2022年6月――東京都の小学校PTAを束ねる「東京都小学校PTA協議会」(以下、都小P)は、22年度総会において、PTAの全国組織である「日本PTA全国協議会」(以下、日P)から23年3月末をもって退会する方針を決めた。その昔「1957年に日P退会後、1965年に復会」という歴史を経たうえで、都道府県や政令指定都市の都道府県PTA連合会・協議会(以下、P連)が全国組織を改めて退会するのは全国で初めてで、さまざまなメディアで大きな話題となった。

当時、都小Pに加入していた都内の公立小学校PTAは約190校で、会員は約9万人。児童1人当たり20円の会費を集め、このうち児童1人当たり10円、総額約90万円を日Pに支出していた。

「退会のいちばんの理由は、『自分たちの活動をできるだけシンプルにしたい』ということです。これまで、『都小Pとして会員さんから会費をもらっているからには、都内の市区町村のP連や各校のPTA(以下、単P)のほうを向き、支えたい』という気持ちで活動を進めてきました。しかし、僕たちの背後にいる日Pは全国大会やブロック大会の運営のほうに力点を置き、残念ながら都小Pの背中を押してくれているようには感じられませんでした。そのため退会し、つながりをいったん切ることで運営がシンプルになり、より都内の市区町村P連や単Pのための活動に力を注げるのではないかと判断しました」と、岡部健作氏は言う。

都小Pは、23年3月末に日Pを正式に退会した。

かねて、公立小中一貫校から「同じサービスやツールを中学校PTAでも利用したい」という声が届いていたことから、対象を都内の全公立小学校 PTAと公立小中一貫校の中学校PTAに拡大し(中学校単体のPTAは対象外)、これまでの「一般社団法人 東京都小学校PTA協議会」から「一般社団法人 東京都PTA協議会」(以下、都P)に名称を変更。さらに、23年4月から、会員・非会員の区別をなくし「会費なし」に。「PTA活動の担い手であるP連や単Pの支援」をスローガンに活動をスタートさせた。文字どおり“新生・都P”の誕生だ。

岡部 健作(おかべ・けんさく)
一般社団法人東京都PTA協議会会長
都内公立小学校のPTA会長、中学校のPTA役員を経て2015年から都Pの活動に関わり、 20年度から会長に。大学生と小学生の父親
(撮影:梅谷秀司)
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